外来生物Q&A


  Q1 外来生物が加われば、そこの生物はそのぶん多様になるから、外来生物の何が問題なん
   ですか?

A 外来生物によって在来種が駆逐されたり元々の生態系や生物多様性が壊されてしまい、多様と
 は正反対の貧相な自然環境になってしまうから外来生物はダメなんです。


 Q2 外来生物といっても、無害なものから有害なものまであるはず。外来生物が全部ダメなん
  ですか?

A 生物多様性の面から見て全部ダメですが、多くの外来生物は自然に消えていって、問題を起こし
 ていません。しかし、中には特別大きな影響を及ぼす種があって、それがここで問題にしている
 特定外来生物や指定外来種です。何とかしなければなりません。



  Q3 昔から外来生物はあったはず。昔の外来種は問題にしないで、今の外来種を問題にするの
   はなぜですか?

A 昔よりずっとたくさんの外来生物が押し寄せて、事態は急速に悪化しています。昔から定着して
 いる外来種より、今まん延拡大中の外来種や今なら何とかできる外来種に対策を集中すべきなの
 で、今現在の外来種を強調しているのです。


  Q4 生活や農業に損害が出てないなら、退治する意味はないのでは?

A そもそも環境は、一番根本的な人類存在の基盤です。おカネが全てではありません。目に見える
 経済的被害だけ考えるのではなく、私たちの社会全体やその未来を考えると、常に環境を良好な
 
状態に保全し、未来に残すことが大事なのです。


  Q5 外来生物を放した人を罰することが一番の外来種対策になるのでは?

A 外来生物を放した人を特定するのは難しいし、一人とは限らないし、何より放した人を罰しても、
 放した生物は戻ってきません。普及啓発活動によって生物多様性や外来種問題に関する住民の理
 解を広げ、放逐
(遺棄)や逃亡による新たな個体の野生化を防止したり、大繁殖を放置するような
 ことがないようにすることが将来につながる対策だと考えられています。


  Q6 外来種といっても人に役立っているものもあるのでは?

A 確かに外国から導入した農作物やセイヨウミツバチ等は、今では欠かせない有用生物となってい
 ます。しかし、良かれと思って輸入した牧草が雑草化したり、セイヨウオオマルハナバチが野外
 に定着、まん延して問題化しているのも事実です。人間が完全に管理できる外来生物しか安心し
 て活用できませんが、人間が完全に管理できる外来生物かどうかは事前には分からないので、取
 返しのつかない問題も起こっています。


   Q7 大量捕獲・大量処分は動物虐待ではありませんか?

A 外来生物に対しては断固とした対策しか意味はありません。例えば、和歌山県に定着し、ニホン
 ザルと交雑し始めたタイワンザルに対しては、交雑の可能性のあるニホンザルも含めて全頭を捕
 獲して殺処分しています。外来の感染症である鳥インフルエンザの場合は、近隣数キロメートル
 範囲の養鶏場の健全なニワトリも全頭が処分されました。もちろん殺処分の際は、動物福祉に配
 慮することが必要であり、実際そのように実施されています。



  Q8 全部捕獲して原産国に送り返せば解決するのではありませんか?

A 全部捕獲し、生かしたまま海外に輸送するには、莫大で非現実的なコストが必要です。また、原
 産地域は広大で多様なので、どこに戻すべきか分かりませんし、日本国内で交雑したり寄生虫等
 に感染した個体は原産地に戻せません。さらに、適度の個体数を維持している原産地の生態系に
 大量の個体を送り込めば死亡率が高まり、それこそ動物虐待となります。



  Q9 捕獲した個体はどうしているのですか?

A 生態系は、生産者→消費者→分解者というサイクルで物質が循環するとともに、生き物について
 は、生き物どうしの「命のリレー」が成り立っています。土壌も、生き物に由来する有機物によっ
 てできており、生態系の基盤となっています。このような自然循環機能をそこなわないよう、捕獲
 した個体は、捕獲場所の土に返すのが本来の姿ですが、捕獲場所から持ち出した場合は、広い意味
 での 生態系の一員たる人間が食用や医薬品等に利用するのが望ましいです。

しかし、残念ながら実際は、アライグマについては法律等の定めに従い、できるだけ苦痛を与えな
 い方法で殺処理し、深川市有害鳥獣処理施設においてバイオ発酵させ、最終的には水と二酸化炭素
 になっています。ヒキガエルについても、一部は同様に殺処理し、動物遺体として焼却処分されて
 います 。 



  Q10 ヒキガエルは食用になりませんか?

A 毒腺のある皮膚をきれいに剥けば毒の問題はないと思われますが、その作業をする以前から漂う
 悪臭は相当なもので、可食部分を取り出すまで食欲を維持できる人はほとんどいません。また、
 ヒキガエルはほとんど跳躍ができないほど脚の筋肉が貧弱なので、筋肉は体重の数パーセント程
 度の重さしかないと思われます。



  Q20 ヒキガエルの毒はどれくらい強いのですか?

A カエル類は、どの種類も多少なりとも有毒な物質を持っていますが、その中でもヒキガエルの毒
 は比較的強く、筑波山名物“ガマの油売り”の口上に出てきたり、センソという漢方薬になって
 強心剤として使われたりしています。ヒキガエルの毒は、背中や耳の後ろの毒腺付近から滲み出
 てきます。しかし、毒でひどい目にあったという話は、北海道では聞いたことがありません。
 ですから、ヒキガエルを掴んだ手で自分の目を擦ったり、手を洗わずにオニギリを食べたりしな
 ければ、問題はないと思われます。