2018年度活動報告

1.概要


○基本的な駆除技術

1)日没後の巡回による捕獲。

地味ですが、これが基本的な方法です。繁殖場所がわかっていれば、繁殖期に
その場所で成体を集中的に捕獲できます。労力を多大とみるかどうかはやる気し
だいです。昼間に仕事を持っている人でも行えます。

2)池の中に産卵された卵紐を引き上げる。

卵紐は岸辺の水底に多いので、一見簡単にできそうに思えますが、岸辺が深かっ
たり、逆に遠浅で泥が多かったり、草が茂っていたり、水が濁っていたりなどで、
卵紐を見落とすことが多いです。岸辺が切り立っていたり草木が密に茂っていて、
一周できない池も多いので、駆除の決め手にはなりません。

3)産卵期に池の水を抜く。

  市街地の公園のような人工池では可能であり、繁殖を完全に防ぐことができます
 が、農業用の溜め池や貯水池、養魚を行っている池、景観の維持が必要な池などで
 はできません。また、ほとんどの池は、水を全て抜こうとしても底の方の水は抜け
 ない形状をしています。使い途がなくなった古い溜め池については、重機で堤を壊
 して、池を潰してしまう方法もあります。

4)池に入った成体をかご罠で捕獲する。

  いわゆる蟹籠(カニかご)を岸に半分沈めておくと、誘引するための餌や囮(おと
 り)を入れなくとも、
1個の罠に成体が一度に数十個体も入ることがあります。池に
 いる成体の一部しか入らないので、罠だけでの駆除は難しいですが、生息の有無を
 簡便に調べる手段にはなります。
 

 
(文献:八谷和彦・佐藤隼太・吉田 (2018) かご罠を使ったアズマヒキガエルの捕獲法.北海道爬虫両棲類
  研究報告, 5, 18-24.)

5)池の周囲に成体を遮る障壁(フェンス)を設ける。

  ヒキガエルは垂直の壁を登ることができず、跳躍をしても体長(頭胴長)の2倍プラ
 ス
5cmの高さの壁までしか越えることができません。池の周囲に水田でよく使われる
 プラスチック製の波板(畔波シート、畦畔板などとも言う)で隙間なく高さ
30cm
 障壁を設けると、産卵に来た成体の
95%程度の個体を障壁の手前で容易に捕獲できま
 す。

 農業ハウス用ビニールや防獣ネットを障壁にしても良いです


(文献:本間浩祐・八谷和彦 (2018) アズマヒキガエル繁殖防止障壁としての波板の有効性(講演要旨).北海道爬虫
両棲類研究報告
, 5, 52-53.)
(文献:八谷和彦・本間浩祐・片岡好徳・片山政一
(2018) かご罠とドリフトフェンスを使った国内外来種アズマヒ
キガエルの駆除
(講演要旨). 爬虫両棲類学会報, 2018 (1), 123.

6)その他の方法

  そのほかの方法としては、落し穴を障壁に組み合わせる方法が考えられます。しか
 し、設置に労力がかかるうえ、捕獲効率の評価ができていないので、実用性は不明で
 す。薬剤による幼生の駆除は検討されたことがありません。


現在、深川市内の駆除活動では、池に障壁(フェンス)とかご罠を設置し、夜間に
巡回して成体の捕獲をしたうえで、池の中の卵紐をできるだけ引き上げるという技
術の組み合わせを駆除法の基本としています。また、大型の貯水池や岸辺を歩けな
い池については、部分的な対策でどれだけ減少するか様子を見ています。障壁につ
いては、廃材を利用したビニールフェンスの実用性を確認中です。また、放置され
た古い溜め池については、池を潰すことを地主と協議したいと考えています。



○場所

①深川市音江町の稲田から国見まで、東西約11KMに散在する9箇所13個の溜池・貯水池付近
②市街地にある親水公園「グリーンパーク21」

○時期

4月下旬から順次開始し、5月下旬に順次終了。
夜間巡回捕獲は、毎日、日没後1~2時間程度、A班・B班・岸本池・村田池・グリーンパークの5班に分かれて実施。
なお、池の地主・管理者は、自分の池のみ担当し、その他の会員は分担を固定することなく、カエルの状況に合せて担当を変更し、対応をいたしました。
また、かご罠については、特定の会員が日中、毎日ないし1日おきに点検し、捕獲されたカエルを改修しました。
さらに、魚用タモ網を使用した、卵塊の除去(5月中下旬)は、夜間巡回捕獲作業時および日中に、随時実施しました。

その他、オタマジャクシの除去(5月下旬から7月上旬)は、日中、随時出来る範囲で実施しました。


2.結果 (2018年)

活動報告写真 (1)夜間の巡回による捕獲数 <A班>
                   単位:匹
 Y池 S池(下) S池(上)  N池 
 829  432 227  350 

(2)夜間の巡回による捕獲数 <B班>
                   単位:匹
 T池 S橋池  K池 
 1,116  1,294 240 

(3)夜間の巡回による捕獲数 <その他>   単位:匹
 K本池 M田池(下)  Gパーク 
 1,052 1,131 26 

(4)かご罠による捕獲数                    単位:匹
 Y池 S池(下)  S池(上)  N池   T池 S橋池  K池 
 3 23 52  192  37 

(5)かご罠による捕獲数             単位:匹
 I貯水池 K野池  T中池 N崎池   T池(下)
 45 0 60  381  37 

☆合計                        単位:匹
 夜間の循環による捕獲数 かご罠による捕獲数  総合計 
 6,697  835 7,532 







3.考察


① 夜間巡回捕獲、2年目以上となる池5か所6個のうち、はっきり
  と捕獲数の減少が確認されたのは、グリーンパーク21と野辺
  地池の2箇所に留まった。
  このことからも、捕獲を更に強化する必要があり、駆除対象の池
  の付近に、繁殖場所が無いか探索する必要がある。

② ヒキガエルは寿命が長いため、繁殖ゼロを達成した池においても
  、3~4年は継続する必要がある。


③ 2018年にも駆除対象池の周辺において、新たな繁殖池が8ヵ所発見されたことで、このまま放置すると、新たな発
  生源となってしまうことから、何らかの対策が必要である。

④ 深川市から秩父別町に続く山間部や丘陵地帯で、繁殖池が次々と見つかっている。
  また、滝川市や砂川市においても、生息情報や多発生情報の報告があり、広域的な発生調査や、連携した対策が必
  要な段階となっている。

Ⅱ アライグマ等外来生物講演会の開催


(1)テーマ : 「増える!広がる!身近な外来生物~アライグマなどの外来種の生態と対策~」
(2)主 催 : 深川市環境衛生協会
         深川ひきがえるバスターズ
(3)日 時 : 2018年7月8日 13:30~15:30
(4)場 所 : 深川市中央公民館 1階中会議室
(5)講演名 : 「侵略的外来生物アライグマの生態と対策」
(6)講 師 : 北海道大学院文学研究科地域システム科学講座 池田 透 教授
(7)活動報告: 「深川市におけるヒキガエルの駆除活動」
(8)報告者 : 深川ひきがえるバスターズ 会長 八谷 和彦
(9)参加者 : 55名


Ⅲ 広報活動 (2018年度)

1.会報の発行

 3月20日 号外(会設立の案内など)
 4月2日  会員通信第1号
      (総会報告、今後の活動日程など)
 4月29日 会員通信第2号
     (夜間巡回捕獲の進め方など)
 5月26日 会員通信第三号     (夜間巡回捕獲の結果、環境保全研修会の開催など)
 6月10日 号外(2018年の駆除結果の概略)

2.講演活動

(1) 日 時 : 7月11日 
    演 題 : 「音江地域における外来生物の実態と駆除の方策」
    講 師 : 八谷 和彦
    参加者 : 音江町内会連合会「町内会長研修会」
    場 所 : アグリ工房まあぶ

(2) 日 時 : 7月28日
    演 題 : 「石狩川のヒキガエル」
    講 師 : 八谷 和彦
    参加者 : 滝川環境フォーラム「エコカフェ2018年第2回」
    場 所 : 滝川市まちづくりセンターにて

(3) 日 時 : 10月23日
    演 題 : 「国内外来生物アズマヒキガエルの駆除活動」
    講 師 : 八谷 和彦
    参加者 : 北海道自然保護協会 2018年第3回「自然を語る会」
    場 所 : 札幌アスティ4・5にて

3.マスコミ取材

  (北海道新聞 2019年5月19日版)

(1) 新聞報道
  ①北海道新聞(中空知版)3回
  ②北空知新聞      3回

(2)テレビ
  ① 5月4日(金) UHBテレビ 「外来種を駆除せよ”池の水を抜かない”大作戦」
  ② 5月9日(水) TBSテレビ 「Nスタ」”猛毒ヒキガエル北海道で大繁殖”
  ③ 5月11日(金) HBCテレビ 「今日ドキッ!」ひとりほり「ヒキガエル」
  ④ 5月16日(水) UHBテレビ 5月4日放送の続編
  ⑤ 6月7日(木) UHBテレビ 今春の駆除作戦の結果