Ⅰ 2019年度活動報告

1.概要


○基本的な駆除技術

1)日没後の巡回による捕獲。

地味ですが、これが基本的な方法です。繁殖場所がわかっていれば、繁殖期に
その場所で成体を集中的に捕獲できます。労力を多大とみるかどうかはやる気し
だいです。昼間に仕事を持っている人でも行えます。

2)池の中に産卵された卵紐を引き上げる。

卵紐は岸辺の水底に多いので、一見簡単にできそうに思えますが、岸辺が深かっ
たり、逆に遠浅で泥が多かったり、草が茂っていたり、水が濁っていたりなどで、
卵紐を見落とすことが多いです。岸辺が切り立っていたり草木が密に茂っていて、
一周できない池も多いので、駆除の決め手にはなりません。

3)産卵期に池の水を抜く。

  市街地の公園のような人工池では可能であり、繁殖を完全に防ぐことができます
 が、農業用の溜め池や貯水池、養魚を行っている池、景観の維持が必要な池などで
 はできません。また、ほとんどの池は、水を全て抜こうとしても底の方の水は抜け
 ない形状をしています。使い途がなくなった古い溜め池については、重機で堤を壊
 して、池を潰してしまう方法もあります。

4)池に入った成体をかご罠で捕獲する。

  いわゆる蟹籠(カニかご)を岸に半分沈めておくと、誘引するための餌や囮(おと
 り)を入れなくとも、
1個の罠に成体が一度に数十個体も入ることがあります。池に
 いる成体の一部しか入らないので、罠だけでの駆除は難しいですが、生息の有無を
 簡便に調べる手段にはなります。
 

 
(文献:八谷和彦・佐藤隼太・吉田 (2018) かご罠を使ったアズマヒキガエルの捕獲法.北海道爬虫両棲類
  研究報告, 5, 18-24.)

5)池の周囲に成体を遮る障壁(フェンス)を設ける。

  ヒキガエルは垂直の壁を登ることができず、跳躍をしても体長(頭胴長)の2倍プラ
 ス
5cmの高さの壁までしか越えることができません。池の周囲に水田でよく使われる
 プラスチック製の波板(畔波シート、畦畔板などとも言う)で隙間なく高さ
30cm
 障壁を設けると、産卵に来た成体の
95%程度の個体を障壁の手前で容易に捕獲できま
 す。

 農業ハウス用ビニールや防獣ネットを障壁にしても良いです


(文献:本間浩祐・八谷和彦 (2018) アズマヒキガエル繁殖防止障壁としての波板の有効性(講演要旨).北海道爬虫
両棲類研究報告
, 5, 52-53.)
(文献:八谷和彦・本間浩祐・片岡好徳・片山政一
(2018) かご罠とドリフトフェンスを使った国内外来種アズマヒ
キガエルの駆除
(講演要旨). 爬虫両棲類学会報, 2018 (1), 123.

6)その他の方法

  そのほかの方法としては、落し穴を障壁に組み合わせる方法が考えられます。しか
 し、設置に労力がかかるうえ、捕獲効率の評価ができていないので、実用性は不明で
 す。薬剤による幼生の駆除は検討されたことがありません。


現在、深川市内の駆除活動では、池に障壁(フェンス)とかご罠を設置し、夜間に
巡回して成体の捕獲をしたうえで、池の中の卵紐をできるだけ引き上げるという技
術の組み合わせを駆除法の基本としています。また、大型の貯水池や岸辺を歩けな
い池については、部分的な対策でどれだけ減少するか様子を見ています。障壁につ
いては、廃材を利用したビニールフェンスの実用性を確認中です。また、放置され
た古い溜め池については、池を潰すことを地主と協議したいと考えています。


場所

①深川市音江町の稲田から国見まで、東西約11KMに散在する9箇所13個の溜池・貯水池付近
②市街地にある親水公園「グリーンパーク21」

○時期

4月下旬から順次開始し、5月下旬に順次終了。
夜間巡回捕獲は、毎日、日没後1~2時間程度、A班・B班・岸本池・村田池・グリーンパークの5班に分かれて実施。
なお、池の地主・管理者は、自分の池のみ担当し、その他の会員は分担を固定することなく、カエルの状況に合せて担当を変更し、対応をいたしました。
また、かご罠については、特定の会員が日中、毎日ないし1日おきに点検し、捕獲されたカエルを改修しました。
さらに、魚用タモ網を使用した、卵塊の除去(5月中下旬)は、夜間巡回捕獲作業時および日中に、随時実施しました。

その他、オタマジャクシの除去(5月下旬から7月上旬)は、日中、随時出来る範囲で実施しました。


2.結果 (2019年)


カエル捕獲数と繁殖阻止成否

夜間の巡回捕獲 カゴ罠による捕獲 次世代の繁殖状況
本年総数 (去年) 本年総数
個数
(去年) 産卵 幼生
(オタマジャクシ)
繁殖阻止
A班A-y池 1,344 (829) 153 上の池
に2個
( 3) 少々 わずか 成功
A-s池(下) 582 (432) 0 4個 (23) 少々 なし 成功
A-s池(上) (227) 23 4個 (52)
A-n池 560 (350) 1 4個 ( 3) なし なし 成功
B班B-t池(2池) 908 (1,116) 17 4個 ( 2) わずか なし 成功
B-s池 1,623 (1,294) 52 7個 (192) 有り 有り おそらく効果あり
B-k(f)池 167 (240) 3 2個 (37) 有り 少し おそらく成功
K池 629 (1,052) 107 田中池
に2個
(60) わずか なし 成功
M池 27 (1,131) なし なし 成功
稲田貯水池 8 6個 (45) 有り 有り 不明
グリーンパーク 19 (25) なし なし 成功
広里K池 10 ( - ) 有り 少し 成功
Kg池 638 ( - ) 20 1個 ( - ) 有り 有り ほぼ成功
合計 6,507 384 +432(その他の15個の池)

総計 7,323個体   ※ 捕獲したカエルはほぼ全部が繁殖する成体。幼体はごく少数。






Ⅱ その他
 
1.ほっくー基金授与式 (2019年6月21日)


  3月18日北洋銀行「ほっくー基金」の助成決定(申請額40万円)
  6月21日に授与式がありました。



        





Ⅲ 市民公開講演会の開催
    侵略的外来動物アライグマとヒキガエル


(1)メインテーマ : 「捕獲名人に学ぶアライグマ対策」
             講 師 : NPO法人ファーミングサポート北海道
             代表理事 原田 勝男氏
(2)活 動 発 表 : 「進むヒキガエルの駆除」
             深川ひきがえるバスターズ 会長 八谷 和彦
(3)日     時 : 2019年7月7日 13:30~15:30
(3)場     所 : 深川市中央公民館 1階中会議室
(4)参  加  費 : 無料
(5)定     員 : 70名(先着順)
(6)主     催 : 深川ひきがえるバスターズ
(7)後     援 : 深川市
             深川市環境衛生協会
             きたそらち鳥獣害防止対策協議会
             音江集落活動組織


Ⅲ 広報活動 (2018年度)

1.会報の発行

 3月19日 ヒキガエルバスターズ 会員通信 第1号発行 
 4月10日 ヒキガエルバスターズ 会員通信 第2号発行
 4月27日 ヒキガエルバスターズ 会員通信 第3号発行
 5月23日 ヒキガエルバスターズ 会員通信 第4号発行